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市場英国市場
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UK TOKENISED SECURITIES MARKET MAP

英国トークン化証券・市場構造マップ

英国は「既存の株をトークンに写す」よりも、当局が運営する実験環境で新しい発行・決済を試す方式をとっています。その現在地を一次情報で追います。

最終検証 2026-09-25 次回重点確認 2026年内:FCAのTokenisation Roadmap公表/DIGITの実発行
DSS / SINCE 2024/0916 FIRMS / LIVE TESTINGARCHAX / FCA FRN 838656DIGIT / HSBC GATE 2 2026/07/13FS26/1 / 2026/09/14PS26/7 / FUND TOKENISATIONSYNC SERVICE / TARGET 2028DSS / SINCE 2024/0916 FIRMS / LIVE TESTINGARCHAX / FCA FRN 838656DIGIT / HSBC GATE 2 2026/07/13FS26/1 / 2026/09/14PS26/7 / FUND TOKENISATIONSYNC SERVICE / TARGET 2028

01 · STATUS

まず押さえる現在地

「承認済み」「ルールが有効」「本番稼働」は別です。ここを混ぜないのがこのサイトの基本ルールです。

稼働 / 提供中

Digital Securities Sandbox(DSS)

イングランド銀行とFCAが2024年9月から共同運営する、規制下の実環境。トークン化証券の発行・取引・決済を、監督下で試せる。16社が参加している。

稼働 / 提供中

Archax ― サンドボックスの外で動く場

英国初のFCA登録デジタル資産取引所。取引所・カストディ・ブローカーを1社で持ち、実際にトークン化資産の売買が行われている。英国のトークン化を当局の実験だけで捉えると見落とす部分。

承認済み・開始待ち

DIGIT ― 英国債のデジタル発行

英財務省によるデジタル国債の試験発行。DLTの提供事業者としてHSBCが2026年2月に選定され、2026年7月13日にDSSのGate 2承認を取得した。発行はまだ行われていない。

スタッフ見解 / No-Action

FS26/1 ― 卸売市場のトークン化に関する意見集約

2026年9月14日公表。2026年5月のCall for Inputに対する123件の回答をまとめたもの。規制ではなく、今後のロードマップの土台になる文書。

開発中・承認前

担保としての利用が当面の焦点

当局は、短期的に最も効果が大きいのは担保の機動性だと整理している。中央清算機関がトークン化担保を受け入れられるかの協議が進んでいる。

開発中・承認前

同期決済サービスは2028年目標

イングランド銀行は、決済を同期させるサービスの稼働を2028年に目標として掲げている。まだ稼働していない。

02 · OWNERSHIP

何を持っているのか?

SECの2026年1月の整理を軸に、トークンの見た目ではなく法的構造と公式な所有記録で分類します。

◎

DSS内で発行されるデジタル証券

ひとことで言うと紙や既存の帳簿を経ずに、最初からデジタルで発行される証券。いまは当局の監督下の実験環境の中だけ。

英国は「既存の証券をトークンに写す」よりも、DSSという監督下の環境で新しい発行・決済の形を試す方式をとっている。

権利証券としての権利は既存法制の下で維持される設計。
公式記録DSS参加事業者のプラットフォーム上の記録。
DIGIT(デジタル国債)
◆

民間の規制取引所で扱われるトークン

ひとことで言うと当局の実験環境の外で、FCA登録の事業者が実際に扱っているトークン。ただし対象は主にプロ投資家。

英国のトークン化は当局のDSSだけで起きているわけではない。Archaxのような登録事業者が、取引所・カストディ・ブローカーを一体で運営している。

権利商品ごとに異なる。ファンド持分や債券などが中心で、上場株そのものではない。
公式記録取引所・カストディアンの記録と、チェーン上の記録。
トークン化MMF米国債トークン
◫

ファンドのトークン化

ひとことで言うと投資信託の持ち分をトークンで持つ形。株式そのものではない。

FCAは2026年4月にPolicy Statement PS26/7を公表し、実験段階からより広い採用へ移す枠組みを示した。

権利ファンドに対する受益権。株主権ではない。
公式記録ファンドの登録簿と運用会社の記録。
PS26/7 に基づくファンドのトークン化
↔

担保として使われるトークン

ひとことで言うと売買の対象というより、取引の裏づけとして差し入れる資産。

当局は、すでに適格な資産のトークン化版を、中央清算機関や中央銀行のオペレーションで担保として使えるようにする作業を進めている。

権利原資産と同等に扱うことを目指すとされる。
公式記録各プラットフォームと清算機関の記録。
トークン化担保

03 · TRADING ROUTES

どこで取引・決済されるのか?

所有モデルと取引会場は別軸です。同じ「トークン化証券」でも経路によってルールと決済が変わります。

サンドボックスの外で、実際にトークン化資産が売買されている場。英国で唯一、常設で動いている経路。

  • Archax が英国初のFCA登録デジタル資産取引所(FRN 838656)。
  • 取引所・カストディ・ブローカーを1社で担う。米国のSecuritizeに近い立ち位置。
  • ライセンスは発行体の50%以上が中小企業である取引所を対象としている。
  • 2026年にはトークン化MMFや米国債トークンを扱っている。対象は主にプロ投資家。

英国のトークン化は、いまのところほぼすべてこの中で起きている。市場に開かれた常設の場ではない。

  • 2024年9月からイングランド銀行とFCAが共同運営。
  • 発行・取引・決済を監督下で試せる。段階(Gate)ごとに承認が要る。
  • 参加していること自体は、当局の認可や商品の承認を意味しない。
  • 2026年9月のFS26/1では、回答者から実験段階を出るべきとの声が多く寄せられた。

政府自身が発行体となる案件。株式ではなく国債である点が、米国・日本と大きく違う。

  • 2026年2月にHSBCがDLT提供事業者として選定された。
  • 2026年7月13日にDSSのGate 2承認を取得。
  • 実際の発行はまだ行われていない。
  • Gate 2承認は段階の通過であって、商品の承認ではない。

当局が短期的に最も効果が大きいと位置づける領域。売買の場を作るより先に、担保として使えるようにする発想。

  • 中央清算機関がトークン化担保を受け入れられるかを協議中。
  • イングランド銀行自身のオペレーションでの利用も検討されている。
  • トークン化していない資産と同等に扱うことが目標とされる。
  • 同期決済サービスは2028年目標。まだ稼働していない。

04 · REALITY CHECK

「トークン化で全部こうなる」は危険

24/7・即時決済・自己ウォレット・小口化は、すべてのモデルに一律で当てはまるわけではありません。

進め方

従来 / 現在米国は既存の上場株をトークン化し、免除や取引所ルールで場を作る。
トークン化で可能になること英国は当局が運営する実験環境(DSS)の中で、発行から決済までを試す。

重要な注意: 参加は認可ではない。DSSにいること自体は承認を意味しない。

何が対象か

従来 / 現在米国は上場株、日本は不動産の信託受益権が中心。
トークン化で可能になること英国は国債(DIGIT)とファンド、そして担保が前面に出ている。株式のトークン化は中心ではない。

重要な注意: 三国とも「トークン化」と呼ぶが、対象資産が違う。

誰が主導しているか

従来 / 現在米国は取引所・保管振替機関・事業者が主導し、当局が枠を与える形。
トークン化で可能になること英国は中央銀行と当局が枠組みを運営しつつ、Archaxのような登録事業者が実際の場を動かしている。

重要な注意: 同期決済サービスの運営主体も中央銀行。

05 · ECOSYSTEM

エコシステム企業マップ

規制当局の「承認企業一覧」ではありません。各社が公表・届出した役割を、出典つきで整理しています。

稼働 / 提供中

Archax

FCA登録の第1号となったデジタル資産取引所。取引所・カストディ・ブローカーを1社で持つ(FRN 838656)。トークン化エンジンも提供し、2026年にはトークン化MMFや米国債トークンを扱っている。

稼働 / 提供中

イングランド銀行

FCAとDSSを共同運営。同期決済サービスを2028年目標で準備。トークン化担保の受け入れも検討。

承認済み・開始待ち

英財務省(HM Treasury)

DIGITの発行体。デジタル国債の試験発行を主導する。

承認済み・開始待ち

HSBC

DIGITのDLT提供事業者。2026年2月に選定され、7月13日にDSSのGate 2承認を取得。

06 · LICENCES

どの登録・免許で動いているのか

登録・届出の効力発生・承認・免除は、どれも別の概念です。同じ「SEC が関わっている」でも意味が違います。

DSS

Digital Securities Sandbox の参加

主な保有者参加16社(HSBC ほか)
何ができるかトークン化証券の発行・取引・決済を、監督下の実環境で行える。
どう取るかイングランド銀行とFCAへの申請と、段階(Gate)ごとの承認。

注意参加は認可ではない。Gate承認も段階の通過であり、商品の承認ではない。

FCA

FCAの認可(投資業務)

主な保有者英国で投資業務を行う事業者
何ができるか証券の取扱い・助言・運用などを行う。
どう取るか金融サービス市場法に基づく認可。

注意トークン化していても、原則として既存の認可の枠内で扱われる。

CSD

証券決済システム・CSD

主な保有者イングランド銀行が監督
何ができるか証券の受け渡しと保管を担う市場インフラ。
どう取るかイングランド銀行による承認・監督。DSSはこの枠組みを一時的に調整するもの。

注意同期決済サービスは2028年目標で、まだ稼働していない。

06 · REGULATION

制度・ルールのタイムライン

法令、SEC命令、SROルール、No-Action Letter、スタッフ見解、企業構想を同じ強さで扱わないため、ステータスを分けています。

稼働 / 提供中

Digital Securities Sandbox が稼働

イングランド銀行とFCAが共同運営を開始。トークン化証券の発行・取引・決済を監督下で試せる環境ができた。

承認済み・開始待ち

DIGITのDLT提供事業者にHSBCを選定

英財務省がデジタル国債の試験発行に向けて、技術提供事業者を決定した。

有効

FCAがPS26/7を公表(ファンドのトークン化)

ファンドのトークン化を実験段階からより広い採用へ移すための枠組みを示した。

スタッフ見解 / No-Action

FCAとイングランド銀行が共同ビジョンを公表

卸売市場のトークン化について、意見募集(Call for Input)とあわせて方向性を示した。

承認済み・開始待ち

HSBCがDSSのGate 2承認を取得

DIGITに向けた段階を一つ進んだ。実際の発行はまだ行われていない。

スタッフ見解 / No-Action

FS26/1 を公表(123件の回答を集約)

回答者からは実験段階を出るべきとの声が多く、担保の機動性が短期の焦点として整理された。今年中にTokenisation Roadmapを示すとしている。

07 · SOURCES

一次情報ライブラリ

SEC・DTCC/DTC・NYSE/ICE・Nasdaqを最優先し、企業情報は企業公式として区別しています。

08 · METHODOLOGY

このサイトの読み方

最初に「何を持つか」を確認し、次に「どの取引ルートか」、最後に「公式ソースと現在の稼働状況」を確認してください。トークン化という技術ラベルだけでは、株主権・カウンターパーティーリスク・決済サイクルは判断できません。

1LEGAL HOLDING→2TRADING ROUTE→3AUTHORITATIVE SOURCE→4LIVE STATUS